◎ 本書に収められている今井先生の諸論文は三つの群に纏められる。第一群は昭和23年の「カント美学の問題-美的理念を中心として」と「美的理念について」に始まり、口頭発表のみで終わってしまった「カントに於ける天才論」等を経て、先生が目指しておられた「ドイツ観念美学の発展」の問題の基礎付けをされ、昭和60年の「藝術と道徳」に到って一応の結論に達している、カント美学の解釈に関するものである。第二群は「美の構成的原理」としての美的理念が美的対象と表現される場の問題を、あくまで日本的空間・時間、或は日本的感性の中で考察しようとされた諸論文によって構成されている。第三群は、昭和32年の「原始美術の一考察」に始まり「表現における現実の問題」へと発展する諸論文の美術史学と生への関心、またもう一方で「イメージの発見」から「アレゴリー小論」への展開の間に見られる意味或は存在論への関心を示すものであり、「イマジネーションの問題を、日本的感性の問題に適用することを試みる」という独自の方向性がこの頃から示され始めているのである。（編集後記より抜粋） ☆主要目次☆ ⚫︎第1章 カント美術学解釈の端緒と発展 ⚫︎第2章 日本的感性における美的理念の場の問題 ⚫︎第3章 芸術における想像力の問題 ◉A5判。函付き。ハードカバー。397頁。 ◉1992年12月25日 やしま書房より発行。 ◉⑧〜⑩の画像が詳細目次になります。 ★状態ー函に擦れ、全体的なシミや汚れ、背部に多少折れスジ等使用感があります。本体のパラフィンカバーに折れ皺、ヨレ、上下部分の傷み、一ヶ所小さな破れや本体の小口天地に多少シミがあります。函の状態を鑑み「傷や汚れあり」といたしました。